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第10回 赤ちゃんと子どもの死を考えるセミナー2012 vol2

「誕生」

生まれてきて、重度障害をもっていることがわかりました。四肢麻痺 嚥下障害 胸部形成不全 そして、ペナ・ショッカー症候群という聞いたこともない病名でした。その中でも病気の程度は重度で、余命3ヶ月程と言われました。

この事実に、「どう向き合えばよいか?」 「これからどうして行けばよいのか?」私は、なにも考えられませんでした。

誕生前に、主治医から障がいや病気をもっている可能性があると、聞いてはいましたが、その時はまだ、現実を直視しようとしていませんでした。

それが、とうとう現実のものとなり、息子の病気と障がい、そして命が短いということに向き合わなければいけなくなりました。

そんなとき、ある言葉が浮かんできたのです。

「避けられない運命には従え!」

昔読んだ、デールカーネギー著書「道は開ける」に書かれていた。一節です。

泣いたり、嘆いたり、世間を恨んだところで、息子の障がいがなくなるわけでもない。それならば、障がいを受け入れた上で、何が出来るかを考え、最善を尽くしていこう。

もちろん 事態を好転させるチャンスがある限り戦うべきだと思います。しかし、常識的に判断して、障がいそのものをなくすことはできません。それならば息子に重度の障がいがあること。そして、障がい者の親であるということを受け入れようと決心しました。

そうすると、そう決めた瞬間から不思議と心の平穏を取り戻すことができ、冷静に前を向けるようになったのです。言いようのない不安や恐怖が薄らぎ、障がいについて思い悩むことは無くなりました。これは、本当にありがたい状態で、仕事の時は仕事に集中できるようになったからです。

しかし、ある疑問が心の奥からわいてきました。

「障がいをもって生まれてくることに何か意味や価値はあるのだろうか?」

「たった数ヶ月で亡くなるのなら、この子の人生に意味や価値はあるのだろうか?」

「死んだら、人はどうなるのだろうか?」

そもそも、「人間は何のために生まれてくるのだろうか?」

そのような素朴な疑問が生まれてきたのです。

本当のことが知りたい。そういう思いが、日に日に強まっていきました。

 

そんな時、会社の研修である資料を渡されました。 

「生きがいの夜明け」~生まれ変わりに関する科学的研究の発展が人生観に与える影響について~と題する資料でした。(現在論文はインターネット上で公開されています。又、加筆して「生きがいの創造」としてPHP研究所より出版されています)

これは、福島大学の学術誌に掲載された論文で、発表されたのは、当時、経営学部の助教授であった飯田史彦さんでした。

この論文を目にした時、とんでもない情報に衝撃を受けました。知りたかったことがすべて論理的に書かれていたのです。

そこに書かれていたのは「生まれ変わり」や「死後の生命」に関する科学的研究結果の内容で、「生まれ変わりに関する研究が世界にはこれだけあります。それらの研究者は著名な大学の教官や医師です。そして、研究方法はこうです。信じる信じないは個人の自由ですが、もし、これが事実だと仮定すれば、あなたの人生はどう変わりますか?」と訴えかけている内容でした。

これらの仕組みを知れば知るほど、障がいをもち、命が短く、一見困難や不幸にしかみえないような事柄であっても、大きな意味があるのだと理解しました。そうすると勇気と希望がわいてきたのです。「こんな人生も悪くない。」「頑張って育てよう、楽しんで育ててみよう」と。